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片野 吉男*; 有賀 武夫; 山本 春也; 中沢 哲也; 八巻 大樹
Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.805 - 808, 2000/00
核融合炉において電気絶縁体材料等として使用されるアルミナ(-AlO)の照射損傷を調べる目的で、H,HeイオンとNまたはOイオンをトリプルビームで同時照射し、損傷組織を深さ方向に透過電子顕微鏡で観察した。表面から1.4~1.5mの深さに停止イオンが分布するように、0.25MeVのHイオンと0.6MeVのHeイオンと、さらにこれらの深さを通過しながらはじき出し損傷を与える目的で、4.7MeVのNイオンをトリプルで照射(923K)した試料では、平均~3nmのキャピティが、1.45と1.55mの深さに帯状に観察された。同量のH,HeをOイオンとともに約1/2のdpa/sで注入した試料ではキャビティーの成長が抑えられた。H,Heのキャビティーの形成に及ぼす損傷速度の効果を定量的に把握するとともに、水素原子の動きに及ぼすHe原子の役割を示した。
Dai, Z.*; P.Zhu*; 山本 春也; 宮下 敦巳; 鳴海 一雅; 楢本 洋
Thin Solid Films, 339(1-2), p.114 - 116, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:78.41(Materials Science, Multidisciplinary)FeTiOの光学関連の基礎物性を調べるため、高純度薄膜をYAGレーザーを用いたアブレーション法により育成した。その結果、基板の-AlO(0001)と整合したFeTiO(0001)が成長することが明らかになった。重要な因子は、基板温度(450C)及びガスふん囲気(Ar+5%O,0.01mbar)で正確なコントロールが必要であった。
楢本 洋; 青木 康; 山本 春也; 阿部 弘亨
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.599 - 602, 1997/00
被引用回数:12 パーセンタイル:67.87(Instruments & Instrumentation)原研に設置したデュアルビーム解析システムの研究成果を中心に発表する。典型的な照射条件として、室温及び低温(36K、100K)での欠陥形成過程と、その後の熱処理過程での欠陥回復と注入元素の振舞をイオンビーム解析法により詳細に調べた。主な成果は以下の通りである。1)室温及び低温での照射効果の見かけ上の差異は統一的に記述できる。低温では、欠陥生成率が高い深度から非晶質化がはじまる。高温では、これら欠陥の動的回復のため欠陥は蓄積されず、注入元素が存在するより深い位置での注入元素と欠陥の複合体により結晶格子の乱れが存在するが、注入量にも限度があるため非晶質化しない。2)回復過程については、室温での照射では結晶性は保持され、熱処理によって複合参加物を形成する。一方低温照射では、非晶質状態からの異種物質相の核形成が主となる。
二神 常爾*; 青木 康; 依田 修; 永井 士郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 88, p.261 - 266, 1994/00
被引用回数:19 パーセンタイル:82.24(Instruments & Instrumentation)-AlO及びMgOにCu,Crをイオン注入し、金属元素の荷電状態をXPSにより調べた。イオン注入量が小さい場合金属元素は陽イオン(Cr,Cu)として捕捉された。一方で、注入量が大きくなると、0価(Cr,Cu)で捕捉される原子の割合が増大した。Perezらにより提唱された統計モデルによりCrに関する実験結果を解釈した。その結果、-AlO中では孤立したCr原子及びダイマーの一部が3価として捕捉されることが分った。MgO中のCrについては、孤立した原子、ダイマー、トリマーが3価として捕捉される。より高次元のポリマーは0価として捕捉される。イオン注入試料(MgO)の光吸収スペクトル(可視域)を調べたところ、F(F)中心、F中心、V中心などの存在が確認された。Cr,Cuを注入した試料中でKrイオンを注入した試料よりも、これらの格子欠陥は効率的につくられる。これらの格子欠陥はCr,Cuのトラッピングサイトと関係あるに違いない。